今回は、ソーシャルレンディングの話ではなく、企業型確定拠出年金のお話・・・。
務めている会社が企業型確定拠出年金をスタートさせて1年半がたちました。
まだ始まって間もないので、マイナスになったりプラスになったりと変動幅があり、一喜一憂しちゃいけないのは分かっちゃいるけど、評価損益を見て、どうしても嬉しくなったり、悲しくなったりしてしまう面が多々ある中で、私は一貫して、リスク商品、株式、リート、債権をうまく分散させ、将来の自分の為にコツコツを積み増しています。
さて去年、会社で追加の勉強会があり、驚きの実態を話されていましたので、そのことについて話していこうと思います。
約7割の人が預金や保険を選択している。
会社内で皆どのようなポートフォリオ(資産配分)がなされているか発表されました。
- 投資信託 33%
- 預貯金 47%
- 保険 20%
なんと驚きの元本保証型(預貯金、保険)を選んでいる方がなんと驚きの67%です。
資産配分なので預貯金や保険も選んでいる方も含まれているので、一概に言えませんが、それにしても元本保証型を選んでいる方が多いのに驚いてしまいました。
元本保証型を選んでいる時点で自分の退職金が減る事実、勉強会でさんざん言っていたはずなのに、預金、保険に比重を置いている方が実に多いいことか!
それとも、そんな退職金が減るリスクより投資自体がリスクある、デンジャラスな危険なものと認識して、投資することこそ賭け事だと思い、保険や預貯金を選択しているのでしょうか?。
あまりにも認識不足、情報弱者すぎて笑っちゃうほど、ダメっぷりを露呈した商品選択状況でした。
なぜ、そんなにまで投資に対してそっぽを向いてしまっているのか、従業員に聞いてみました。
博打だと思い込んでいる。
- 投資自体が賭け事、博打だと思い、一発逆転みたいに、ものすごい大金が舞い込んでくると思っている。
- 逆に、負ければ自分が掛けたお金が全て泡のごとく消えてなくなってしまうほどの損をしてしまうと思っている。
- 投資=博打だからやらない。
- パチンコや競馬、競輪、オートやってるからやらない。
危険なものをやるくらいなら預貯金や保険を選んだ方がましだと思っている
分からないからやらない
- 仕組みがわからない
- 何を選んだらいいかわからない
- とにかく、ちんぷんかんぷん
訳の分からないものにお金を出すぐらいなら預貯金や保険を選んだ方がまし
興味なし
- 会社が強制的に入らされたから勝手にやって!
- 投資に興味なし
だから、預貯金や保険で十分。
将来もらえる年金は確実に減る。
みんな知っている事実、日本は老人の国になっています。
働く若者が減っていって、収める年金が減れば、自ずともらえる年金も減っていく事は誰でも知っている既成の事実です。
で、どのくらい減るかと言えば、国の方針で「2014年度から2043年度までに20%減額する」という国の方針らしいですよ。
サラリーマンが加入している厚生年金に限ってみてみると、現役世代の手取り収入(ボーナス込み)と比較してどのくらいの割合か年金としてもらえるかを示した率を、「所得代替率」として国は定めていますが、この所得代替率を2014年度は62.7%でしたが、2043年度には約50%にするという計画です。
40年勤務の夫、妻は専業主婦の場合
2014年度では夫婦2人で月約22万3千円もらえた年金が4.5万円減り、2043年度では月額約17.8万円になっちゃいます。
独身者の場合
2016年の単身者のもらえる年金支給額平均は107,171円だそうです、これが20%の減額ですと単純に言って85,736円になっちゃう計算です。
世帯別 | 現在の年金支給額 | 2045年時の年金支給額 |
夫婦 | 22万3千円 | 17万8千円 |
独身者 | 107,171円 | 85,736円 |
本当に、これだけのお金で働けなくなった時に、年金だけで生活できるのかといえば、無理に決まってますよね。
税金はこれからも上がり続ける
国の借金である、国債は毎年発行されていてすでに1000兆円、国民一人当たりに換算すると860万円の借金を抱えていることになり、これを返さなければいけない。
少子化、超高齢化に突入した日本は、税金を納める主要な働く世代が減っていってるし、人口減少に伴って、警察、消防、役所、医療、水道などの行政サービスを維持していくためにはこれからどんどん税金が上がっていく。
消費税が10%で打ち止め・・・。って考えているようじゃ甘い甘い。
世界に目を向けて見ると・・・。
- ハンガリー:27%
- スウェーデン:25%
- デンマーク:25%
- イギリス:20%
これから先、消費税は段階的に絶対に上がり続けます。
日本は所得税 15%〜50%が課税されていますが、世界に目を向けてみると
- イギリス:〜55.9%
- フィンランド:7.71%〜61.96%
- スウェーデン:〜59.7%
- デンマーク:46.03%〜61.03%
と、やはり、重税になっています。
こちらも、税制改革でメスを入れるのではないかとみています。
将来的に、政府は少子化を阻止するために、様々な手立てを講じるでしょうから、政府はお金を欲しているのです。
日本の未来は絶望的
少子高齢化で日本は破滅的な未来を予想しています。
代表的な本から引用すると、
- 2019年 IT技術者が不足し始め、技術大国の地位が揺らぐ
- 2020年 女性の2人に1人が50歳以上に
- 2022年 「ひとり暮らし社会」が本格化。独居世帯は3分の1に
- 2024年 3人に1人が65歳以上の「超・高齢者大国」へ
- 2025年 ついに東京都も人口減少。東京都民の4人に1人が高齢者に
- 2026年 高齢者の5人に1人が認知症患者(約700万人)
- 2030年 百貨店も銀行も老人ホームも地方から消える
- 2033年 全国の住宅の3戸に1戸が空き家になる
- 2035年 未婚大国誕生。男性の3人に1人、女性の5人に1人が生涯未婚。
- 2045年 東京都民の3人に1人が高齢者に
これってヤバくないですか。
で、ヤバさをさらに追記するとジム・ロジャースという世界に名高い投資家が日本の未来を描いた書籍が出版されていています。
ポイント
- 私がもし10歳の日本人なら、ただちに日本を去るだろう。
- 暴動や殺人などさまざまな犯罪が増え、犯罪大国になる。
- 人口が減少しているのに移民を受け入れない国は歴史的に見ても必ず衰退する。
- 高齢化も進んでいるため、社会保障費も莫大な金額になっていく。
- 金融緩和で目先の景気回復だけを行なっている安倍政権に対して、いつか『安倍が日本を駄目にした』と振り返る日が来るだろう。
- 異次元の金融緩和を続ける日本、このまま紙幣を刷り続けたらインフレが加速し『円』は紙切れ同然になっていくかもしれない
この本では、では一体何に投資すればいいか語っています。
が、やはりこの先、子供の数を増やす手立てをしなければ間違いなく衰退の一途を辿るでしょうし、子供を増やす手と一緒に高齢者も守る政策も実施しなくてはいけない板挟み状態。
日本の育末は非常に苦しく、そこに住んでいる我々日本人も自ら進んで肉を切る改革を共に行わなければならない時がもうすぐそこまで来ているのです。
世界経済は右肩上がり
一方、世界に目を向けてみると、世界人口は右肩上がりを続け、2030年には85億5100万人に達し、2055年には100億人を突破すると考えられるそうです。
単純に言って人が増えると消費が増えるので、経済が潤うのは自然の摂理。
下記グラフは1989年を0と起点してどのくらい伸びたかをアメリカのナスダック、S&P500、日本の日経平均株価、中国の香港ハンセン指数を表していますが、吐出しているのがナスダックですね。
平成の世界経済、世界情勢を主要国株価指数を比較することで読み解く
アメリカの企業って世界的規模の会社が多数いますよね。
コカ・コーラ、アマゾン、フェイスブック、アップル、グーグル、マイクロソフト、インテル、P&G、ペプシコーラ等々・・・。
リーマンショックを乗り越え、急激に業績をアップし続ける移民の国アメリカ。
1989年からナスダックに投資していたら、資産が4000倍にもなっている計算です。
これを見てあなたは、保険や貯金だけに頼る資産構成で満足できますか?
人間の欲望は果てがない。
技術革新で様々な文明の利器が発達してきました。
黒電話→携帯→スマホ
白黒テレビ→カラーテレビ→デジタルテレビ(ブラウン管→液晶)
インターネットも発達してきましたよね
アナログ回線→ISDN→ADSL→光回線
移動体通信システムも技術向上し
アナログ(1G)→デジタル(2G)→3G→4G→5G
人間の欲望ってのは際限がないですから、便利なもの、楽しい物、次から次へと新しいものが生まれてきますし、これで満足したなんて事もありません。
これからも便利なものが次々世に出てくるでしょうし、それを開発、研究、流通、製造と多岐にわたりお金、マネーが絡んできます。
こんな貪欲に満ちた人間の際限ない欲望に投資しないなんて機会損失も甚だしいですよ。
貯金や保険だけで運用しているのはもったいない
で何が言いたいか察していると思いますが、これから先、企業型確定拠出年金の運用が貯金や保険だけで運用しているのはもったいないといことです。
日本は超長期的に見ると、人口減と社会保障費の増大で瀕死、これを是正するために東京一極集中を止め、地方分散を推し進め、貧乏でも幸せを享受する生活に転換させるように、これから政府は方針転換するのではと思っています。
日本は一言で言うと・・・。
みんな、貧乏になっちゃった
だから、死ぬまで働こうぜ
そんなの時代がもうすぐそこまで来ていますよ。
ただ、これだけは確実に言える事が一点あります。
アメリカはこれからも世界経済を引っ張っていく。
まぁ、未来の事なんで誰にもわからないですが、中国はアメリカを抜くかもしれませんし、日本の企業がもう一度世界に打って出て躍進するかもしれない。
定年退職まで使う当てのない、使えないお金である企業型確定拠出年金。
だからこそ、無いお金だと思って、積極的に一部でもいいから、預金、保険を、伸びしろがある世界に投資する。これが最適解なのではないでしょうか?