クラウドバンクはこれまでデフォルトや貸倒れがない、比較的安定した運用ができる投資先として、ますます注目され人気も高まりつつあるソーシャルレンディングです。
そんなクラウドバンクが、4月17日に借手先の情報を公に公開してから半月ほど経ちました。
事業者リスクがなくなりつつある現在、新たなリスク要因として挙がってきたのは案件固有のリスクである事は間違いありません。
今までは貸付企業が公になっていなかっため、事業者を信頼しての投資でしたが、これからは自分から投資先を考え、選ぶ時代です。
投資先を選定する上で重要な術を持ち合わせていないと、長期にわたって資産を築き上げるには難しいのではないのでしょうか?
クラウドバンクで募集をかけている企業は大体が中小企業かベンチャー企業です。(たまに上場企業も募集されていましたが・・・。)
財務諸表も公開されていはいますが、中小企業ゆえ、その微々たる利益も風が吹けば飛んでいきそうなものもあります。
そこで、きらりと光る投資先を見つけるために、投資をする上で我々が気を付けなければならない注意点を上げてみました。
借り手企業が公開している案件での注意点
会社の事業実態を調べる
例えばこちら、中小企業支援型ローンファンド第512号。
この融資先の会社は電磁波を減衰させるための機器をリース販売を行う会社で、大型商業施設やコンビニ等に機器をリースし、そのリース料によって収益を得る事業としています。
こちらのファンドは借り手企業の名称、住所、財務情報、さらにはリース機器の名称などの概要まで公開されています。
で、こちらのファンドの利回りはというと・・・。
- 利回り6.2%
- 運用期間10か月
クラウドバンクで募集をかけている案件からいっても平均的な利回りです。
会員限定情報の為、これ以上公にできませんが、もっと知りたい方は無料で行える会員登録・口座開設をしてから見ていただきたいと思います。
さて、公開されている財務諸表も一見して良いし、将来性に期待が寄せられるよさげな節電機器リース会社ではあるものの、企業名やリース機器名でぜひ検索してください。
_, ._
(;゚ Д゚) …!?
こんな感じになる事請け合いです。
クラウドバンクに公開されている情報だけを鵜呑みに投資を決定してはダメな典型例な案件である事がわかります。
開示された企業名を使って、ネット検索、そこから事業実態がわかるので、口コミや評判、社長の経歴を調べましょう。
ココがポイント
会社の口コミ、苦情、評判、社長の経歴を調べる
不動産担保を調べる
横浜市不動産担保型ローンファンド第12号。
この案件は借り手が公開されています。
グーグルマップを3Dにして、ぐるぐると視点を動かしてください。
担保を取っている土地の高低差がわかりますし、見えなかった何かが見えてきます。
また、上記サイトで公示地価と第一種低層や、商業地域、市街化調整区域等の地域用途マップが見られます。
クラウドバンクが嘘を言っているとは思わないですが、念のため地域用途を確認してみましょう。
地域用途とは都市環境を整備するために都市計画法に定められた土地を用途ごとに分類し、住みやすく暮らしやすい街を作るためにの区分方法です。
全部で12種類あります。
地域用途一覧
〈住居の環境を最優先した地域〉
・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域
〈住宅の環境を守るための地域〉
・第一種住居地域
・第二種住居地域
〈道路沿い等で自動車関連施設などと住居が調和した環境を守るための地域〉
・準住居地域
〈映画館や倉庫、車庫なども建てられる地域〉
・近隣商業地域
・商業地域
・準工業地域
・工業地域
〈住宅は建てられず工場のみ〉
・工業専用地域
地目も最後に確認してみましょう。
地目とは土地の種類の事で23種類あります、
宅地、田、畑、山林、原野、用悪水路、公衆用道路、公園、雑種地、境内地、牧場、鉱泉地、池沼、墓地、水道用地、運河用地、ため池、保安林、堤、井溝、保安林、鉄道用地、学校用地
たとえば、担保として取っている地域用途が第一種住居地域で地目が墓地でしたら、売れるでしょうか?
普通に考えたら売れませんし、買い手が付くかどうかすら疑わしいですよね。
正式に地目を調べるには土地を管轄する法務局に行き,所在及び地番を記載した申請書を提出すれば,地図を閲覧することができ,写しを入手することもできます。
ただ、国土地理院の地図を使って、小学校で習った地図記号を用いて大体の目安をつける方法もあります。
墓地や荒れ地、田畑、針葉樹、などが目安になります。(実際の地目と違う場合があるので注意)
田畑のみに限って言えば、こちらのサイトで確認すると農地の区画情報が見られますので、地目確認するのに便利です。
こうやって調べると、この担保もそれなりの
_, ._
(;゚ Д゚) …!?
であることがわかりますね。
ココがポイント
- 近くの公示価格調べる。
- 地域用途を調べる。
- 地目を調べる。
- グーグル3Dマップをグリグリ動かしてみる。
これらを使って調べて、担保評価額が適正なのかを確認してみましょう。
ただ、クラウドバンクが公表している住所地はグーグルマップ等使っても担保の住所地を特定できにくくなっています。
住宅地図を有料で提供しているゼンリン住宅地図などで確認する手もありますが、有料なので小額投資者には採算割れしてしまいます。
ちょっと地道な作業ではありますが、ナビタイムを使って付近の番地からたどって見当をつける手もあります。
まぁ、なんにしても結局はクラウドバンクの与信、融資審査を信じるしかありませんね
借り手企業が非公開な案件での注意点
太陽光発電ファンド第797号は借り手が非公開になっています。
借手がわからなければ、リスク判断できないと思いですが、借り手を特定できる手段があります。
それは担保物件の所在地及び、設備名です。
これらで検索すると一発で借り手先企業が特定できます。
ここから事業実態をよく見て、会社の規模、実績、評判、口コミを調べて投資に値するか精査してください。
ココがポイント
担保物件の所在地及び、設備名で検索。
財務情報や与信情報から調べる
1か月分の財務情報が公開されていますが、それだけでは判断材料としては弱いですね。
中小企業の財務情報や与信情報を得るには有料になってしまいますが帝国データバンクやniftyビジネスを活用するとよいでしょう。
しかし、数百万円の投資額でしたらこういうデータを集めて、自分で納得できる投資判断も下せるかもしれませんが、私みたいに数万円の投資額では採算が合いません。
官報に載っている企業でしたら、無料で会社の決算で情報が載っているかもしれません。
まとめ
クラウドバンクを疑っているわけではありませんが、ソーシャルレンディングは過去に色々やらかした経緯があります。
ココがポイント
- 会社の口コミ、苦情、評判、社長の経歴を調べる
- 近くの公示価格調べる。
- 地域用途を調べる。
- 地目を調べる。
- グーグル3Dマップをグリグリ動かしてみる。
- 担保物件の所在地及び、設備名で借り手が特定できる場合がある。
これらを調べ自分が納得する投資判断をしてください。
クラウドバンクは案件が多く、クリック合戦がなく、比較的調べる時間に余裕があります。
納得して自分なりの判断を下してください。
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