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【徹底解説】クラウドバンクで利払い停止・償還遅延が多発?再生可能エネルギーファンドのリスクと投資家の具体的対策

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今回は、ソーシャルレンディング「クラウドバンク」の一部ファンドで報告されている、利払い停止や償還遅延といった心配な問題について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

この記事はクラウドバンクの会員限定情報には触れず、公開情報のみに基づき、皆さまへの情報提供と注意喚起を目的としています。ソーシャルレンディング投資のリスクを再確認し、賢明な投資判断の一助となれば幸いです。

なお、本記事は情報提供と分析を目的としたものであり、投資助言を行うものではありません。投資の最終的なご判断は、ご自身の責任においてお願いします。

クラウドバンクで何が起きているの?利払い停止・償還遅延の状況

クラウドバンクでは、融資先からの返済遅延が発生していることが公表されている案件があります。例えば、返済遅延が継続し、解決に向けて法的手続きが進められている状況が報告されているケースや、融資の担保である発電所の権利売却が計画通りに進まず、元本の返済が遅れているケースなどが見られます。

あるケースでは、融資の最終返済日を過ぎても元本の返済を受けていない状況が説明され、遅延の理由として、融資の担保であるバイオマス発電所の権利を持つ会社の持分売却が、交渉に時間を要しているためとされています。

遅延は一部の案件だけではない?

残念ながら、クラウドバンクでは過去にも複数の案件で返済遅延や償還遅延が発生しています。特に「太陽光発電ファンド」など再生可能エネルギー関連のファンドで遅延が目立っています。

影響を受けているセクター

再生可能エネルギー関連ファンド(太陽光発電、バイオマス発電など) が挙げられます。例えば、バイオマス発電所の権利売却遅延のケースや、別の太陽光発電所の開発・売却遅延が発生しています。

遅延の規模も小さくなく、2023年5月には複数の融資案件で合計約10億円の償還遅延が発生したとの報道もありました。SNSなどでは、「舐めてる」といった投資家の不安の声も見受けられます。

 

統計データ(2025年1月時点とされる情報)によれば、運用中のファンド658件のうち、8%で償還遅延が発生しているとのことです。92%は正常に運用されているものの、8%という数字は決して軽視できません。

これらの状況を見ると、クラウドバンクにおける遅延問題、特に再生可能エネルギー関連ファンドでの遅延は、一時的なものではなく、何らかの構造的な要因が背景にある可能性も考えられます。融資の回収が、担保となる資産の売却に大きく依存するビジネスモデルの場合、その売却が計画通りに進まなければ問題が表面化しやすくなります。

なぜ遅延が発生するの?その背景と要因

クラウドバンクが公表している遅延の主な理由は、融資先の会社が、ローンの返済資金となるはずだった資産(多くは太陽光発電所やバイオマス発電所など)を、計画通りに売却できなかったことによるものです。

バイオマス発電案件の事例

担保であるバイオマス発電所の権利を持つ会社の持分売却が、交渉難航で遅れた。

太陽光発電案件の事例

太陽光発電所を開発・売却して返済する計画だったが、買い手との交渉が長引き、期限までに売却完了できなかった。

これらのケースは、プロジェクトの将来の売却益に返済を頼る仕組みのリスクを示しています。市場環境の変化、買い手との交渉、プロジェクト自体の魅力などが、売却の成否を左右し、結果として私たち投資家への返済遅延につながってしまうのです。

再生可能エネルギープロジェクト特有のリスク

再生可能エネルギー分野のプロジェクトには、その特性からくるいくつかの大きなリスクがあります。クラウドバンクの遅延案件でも、これらのリスクが影響している可能性が考えられます。

1. 国の政策や制度変更のリスク

国のエネルギー政策や固定価格買取制度(FIT制度)の変更は、プロジェクトの収益性に大きな影響を与えます。 例えば、太陽光発電のFIT買取価格は年々低下しており、事業の採算性が厳しくなっています。また、経済産業省が未稼働案件に対して調達単価の減額ルールを示したように、政策変更がプロジェクトの経済性を損なうことも。海外では、スペインやイタリアで発電設備の買取価格が遡って引き下げられ、紛争になった事例もあります。政策決定の透明性が低いと、市場が混乱する可能性も否定できません。

2. プロジェクトが計画通り進まないリスク

新規開発プロジェクトでは、計画通りに発電所が完成しない、あるいは稼働しないリスクが常に伴います。 建設の遅れやコスト超過は珍しくありません。実際に、宮城県で計画された洋上風力発電事業が採算判断から中止になったり、高知県の風力発電事業が十分な風量が得られないとして中止された事例があります。太陽光発電でも、林地開発許可の取得が遅れたため、事業計画を断念住環境が悪化すると懸念する住民から反発を受け、開発をとりやめた事例、事前の調査不足で日照が足りなかったり、施工不良のトラブルや地域住民との反対にあい、最悪の場合は業者が倒産してプロジェクトが頓挫するケースも報告されています。

3. 【太陽光発電】特有のリスク

太陽光発電には、特有の注意点があります。 まず天候による発電量の不安定さ。そして、電力需要が少ない時期に電力会社から出力制御(一時的に発電を止める指示)が出され、売電機会を失うことも。これは特に九州電力管内などで深刻で、全国的にも増加傾向です。また、FIT制度からFIP制度へ移行すると、発電事業者が市場価格の変動リスクを直接負うことになり、事業運営がより複雑になります。さらに、太陽光パネルやケーブルの盗難被害(茨城県でパネル500枚盗難など)や、メンテナンス不足による発電効率の低下も現実的なリスクです。

4. 【バイオマス発電】特有のリスク

バイオマス発電も、燃料の確保や管理面で特有の難しさがあります。 燃料となる木質チップなどの安定供給が難しく、価格も高騰しがちです。実際に、長野県や北海道下川町のバイオマス発電所が燃料費高騰で経営難や操業停止に追い込まれた事例があります。輸入燃料に頼る場合は国際価格の影響も受けます。また、燃料の不均一性による発電効率の低下や、燃料貯蔵施設での火災・爆発事故も複数報告されており、高度な運転管理技術と安全対策が不可欠です。

5. プロジェクトファイナンスへの依存リスク

多くの再生可能エネルギープロジェクトは、プロジェクトファイナンスという手法で資金調達を行います。これは、プロジェクトが生み出す将来のキャッシュフロー(収益)やプロジェクト自体の売却益を返済の原資とする仕組みです。 そのため、発電量が計画より少なかったり、売電価格が下落したり、保守作業が遅れたりしてプロジェクトの収益が悪化すると、融資の返済が困難になるリスクがあります。事業そのものの成否が直接返済能力に結びつくため、事業が失敗した場合の貸し手側の回収は、一般的な企業融資(コーポレートファイナンス)に比べて難しくなる特性があります。

管理人
これらのリスクが複雑に絡み合い、クラウドバンクの再生可能エネルギー関連ファンドにおける遅延の一因となっていると考えられます。

これまで見てきたように、再生可能エネルギー関連のプロジェクトには様々なリスクが潜んでいます。そうしたプロジェクトに共通する主なリスク要因と、それが私たち投資家にどのような影響を及ぼす可能性があるのかを、分かりやすく表にまとめてみました。

リスク要因 説明(例を含む) 投資家への潜在的影響(遅延、元本損失等)
資産売却への依存性 ローン返済が原資産(太陽光・バイオマス発電所等)の売却に依存。

市場の低迷や買い手不在が売却を遅延・阻害。

返済・利払い遅延、割引価格での売却による元本損失の可能性
政策・規制変更リスク 補助金制度(FIT等)の変更、系統接続ルール、環境規制の変更。 プロジェクト収益性の低下、売却価格の下落、プロジェクトの実行不能
 プロジェクト開発リスク 新規プロジェクトにおける建設遅延、試運転問題、コスト超過。 キャッシュフロー創出の遅延、負債増加、買い手確保の困難化
完成後の運転リスク 天候不順や技術的不具合による発電量低下、高額な運転コスト、設備の故障・盗難。 債務返済原資となる収益の減少、プロジェクト評価額の低下
借手(カウンターパーティ)リスク 借手の財務不安、経営ミス、または(最悪の場合)不正行為。  ローン不履行、複雑な回収プロセス

この表は、クラウドバンクで遅延が報告されているプロジェクトに類似する案件に投資する際に、投資家がどのような種類のリスクに直面する可能性があるかを理解する一助となるでしょう。これらのプロジェクトの高い利回りは、このような複雑で多面的なリスクを伴うことを認識する必要があります。

クラウドバンクの運営体制は?

クラウドバンクの運営会社である日本クラウド証券株式会社は、過去にキャンペーンに関する誤表示やシステムの不具合で行政処分を受けた経歴があります。現在は改善されているとのことですが、こうした事実はプラットフォームの信頼性に影響を与える可能性があります。

さらに、外部サイトでは、クラウドバンクの融資先から実質的オーナーの関係会社へ資金が流れたという資金流用疑惑も報じられています。もしこれが事実であれば、単なるプロジェクトの遅延とは異なる、深刻な問題です。この記事では真偽を検証できませんが、公に報じられている以上、投資家としては気をつけておくべき情報でしょう。

一方で、クラウドバンクは、融資先の財務状況や担保価値などを専門家が調査し、審査会で融資の可否を決定していると説明しています。特に不動産担保型ローンファンドでは、万が一の場合でも全額回収できるよう、融資額を上回る価値の不動産を担保とする方針を示しています。

しかし、実際には担保資産の売却が難航して遅延が発生している事例があることから、担保評価の妥当性、特に流動性の低い資産(未完成の発電所など)の市場価値や売却までにかかる時間の見積もりについて、より慎重な評価が求められていると言えそうです。

ソーシャルレンディング投資のリスクと私たち投資家ができること

ソーシャルレンディング投資には、クラウドバンクに限らず、以下のような共通のリスクがあります。

ソーシャルレンディング投資の共通リスク

  • 信用リスク(デフォルトリスク): 融資先が倒産などで返済できなくなるリスク。
  • 遅延リスク: 元本や利息の支払いが遅れるリスク。
  • 元本割れリスク: 投資したお金が戻ってこない、または減ってしまうリスク。
  • 高利回りと高リスクの関係: 一般的に、利回りが高いほどリスクも高くなります。
  • 流動性リスク(途中解約不可): 基本的に運用期間が終わるまでお金を引き出せません。
  • プラットフォームリスク: 運営会社自体の破綻や不正などのリスク。
  • 情報の非対称性: 投資家は融資先の詳細情報を十分に得られないことが多いです。

クラウドバンクは担保設定などでリスクを軽減する方針を掲げていますが、現状、担保資産の売却がうまくいかずに遅延が発生しているケースがあることは、これらの対策が万全ではない可能性を示しています。「過去の元本回収率100%」といった情報も、あくまで償還が完了した案件の実績であり、現在進行中の遅延案件の最終的な結果を保証するものではありません。遅延が長引けば、元本が回収できないリスクも高まります。

透明性の重要性と金融庁の呼びかけ

金融庁も、ソーシャルレンディング投資家に対し、高い利回りだけでなくリスク情報も十分に吟味し、理解した上で投資判断を行うよう注意喚起しています。運営会社には、貸付先の情報や資金使途、回収可能性に関する情報などを適切に開示することが求められています。

私たち投資家が納得できるような、詳細でタイムリーな情報提供が期待されます。

もしデフォルトや遅延が発生したら?

一般的に、デフォルトや遅延が発生した場合、プラットフォーム運営会社が債権回収活動を行います。これには、担保物件の売却や、法的手続きなどが含まれます。投資家は通常、プラットフォームからの進捗報告を待つことになります。担保があるからといって、必ず元本が保証されるわけではないことを理解しておく必要があります。

これから私たちが注意すべきこと・できる対策

では、私たち投資家はどのような点に注意し、どう対策していけば良いのでしょう。

こまめな情報収集としっかり調べることの重要性

  • プラットフォームからの公式発表やレポート、マイページなどを定期的に確認しましょう。
  • 投資前には、ファンドの詳細情報(融資先の事業内容、担保の内容、リスクとリターンのバランスなど)を徹底的に調べましょう。
  • プラットフォームの過去の実績(遅延・デフォルト発生状況、行政処分の有無など)も確認しましょう。

分散投資でリスクを管理する

  • 一つのファンドや少数のファンドに資金を集中させるのは避けましょう。
  • クラウドバンクの事例では再生可能エネルギー関連ファンドに遅延が集中している傾向が見られるため、異なる種類の事業やセクターに分散することも有効かもしれません。
  • 複数の信頼できるソーシャルレンディングプラットフォームに資金を分散することも、プラットフォームリスクの軽減につながります。

利用規約や投資家保護の仕組みを理解する

  • 投資契約の条件、特にデフォルトや遅延発生時の取り扱いやプラットフォームの責任範囲などをよく読んで理解しておきましょう。
  • 顧客資金の管理方法(分別管理されているかなど)も確認ポイントです。
  • ソーシャルレンディング投資は、投資者保護基金の対象外となることが多い点にも注意が必要です。

情報の限界を認識し、賢く対応する

  • 問題が発生した融資先に関する全ての情報が開示されるわけではないことを理解しておきましょう。
  • プラットフォームのFAQや、投資家コミュニティ(情報の正確性には注意が必要)など、複数の情報源を活用しましょう。
  • 情報が不明確な場合は、プラットフォームに積極的に問い合わせることも大切です。

過去の事例から学ぶ(例:maneoファミリーやその他の問題事例)

ソーシャルレンディング投資において、過去の失敗事例から学ぶことは非常に重要です。残念ながら、業界ではいくつかの大きな問題が発生し、多くの投資家が影響を受けました。これらの事例は、私たちが投資を行う上で何を注意すべきかを具体的に教えてくれます。

maneo(マネオ)とそのファミリーの問題

かつて業界最大手だったmaneoマーケットは、そのプラットフォーム上で募集を行う多数の事業者(「maneoファミリー」と呼ばれました)を抱えていました。しかし、このファミリー内の複数の事業者で、大規模な償還遅延や貸し倒れ、さらには不正疑惑が次々と明らかになりました。 例えば、以下のような事業者が大きな問題を引き起こしました。

グリーンインフラレンディング(GIL)

:再生可能エネルギー関連のファンドを扱っていましたが、融資先であるJCサービスという企業グループ内での資金の不正流用が発覚。結果として、投資家への返済が大幅に滞り、大きな損失が発生しました。太陽光発電などのプロジェクト自体は魅力的でも、事業者の信頼性や資金の流れの透明性が確保されていなければ、大きなリスクにつながるという典型例です。再生可能エネルギー案件特有のリスクに加え、事業者のガバナンスがいかに重要かを示しています。

ガイアファンディング

主に不動産担保ローンファンドなどを提供していましたが、担保価値の評価が不適切であったり、集めた資金が当初の説明とは異なる目的に使われた疑いが浮上しました。これも多くのファンドで償還遅延を引き起こし、投資家は長期間資金を回収できない事態に陥りました。「担保があるから安心」とは限らないことを教えてくれます。

クラウドリース

リース事業への投資を謳っていましたが、実際には資金の多くが特定の不動産関連企業グループに融通され、そのグループの経営悪化とともに焦げ付きが発生。ここでも虚偽の表示や資金使途の問題が指摘されました。

これらのmaneoファミリーの事業者は、最終的にmaneoマーケット自体が行政処分を受け、事業停止、そして破産へと至る大きな要因となりました。プラットフォーム運営者の責任や、グループ全体の信頼性がいかに大切か、そして投資家自身が事業者の実態を見抜くことの難しさと重要性を示しています。

その他の重大な問題事例

maneoファミリー以外にも、投資家の信頼を著しく損なう問題を起こした事業者が複数存在します。これらの事例は、さらに多様なリスクの側面を教えてくれます。

みんなのクレジット

この事業者は、極めて悪質なケースとして記憶されています。高利回りをアピールし、頻繁なキャッシュバックキャンペーンで多額の資金を集めましたが、その実態は、集めた資金の大部分を代表者の親族が経営する会社など、ごく一部の関連企業グループに不透明な形で融資するというものでした。約束された担保は実質的に機能しておらず、虚偽の広告表示も問題視されました。結果、多くのファンドで返済不能となり、投資家に甚大な被害が発生。複数回の行政処分を経て、最終的には経営陣が詐欺容疑で逮捕されるという前代未聞の事態に至りました。この事例は、異常に高い利回りや頻繁すぎる高額キャッシュバックの裏に潜むリスク、そして何よりも事業者の透明性と経営者の倫理観がいかに重要であるかを物語っています。

ラッキーバンク

ラッキーバンク・インベストメント(株)は、金融商品取引法違反で行政処分。主な問題は、貸付先の多くが代表取締役の親族経営の不動産会社であり、その財務諸表の水増しを見過ごすなど貸付審査が極めて杜撰だった点。また、正式な不動産鑑定評価ではない担保価格をウェブに掲載する不適切表示も行われ、多くのファンドで償還遅延や元本割れが発生し、投資家は多大な被害を被りました。この事例は、事業者の審査体制、特に親族企業等への融資における利益相反リスク、担保評価の信頼性、情報開示の正確性が極めて重要であることを示しています。

トラストレンディング

運営会社エーアイトラスト(株)(現AI(株))は、ファンドの多くは事業内容が虚偽。集めた資金は特定の取締役関係先へ不正流用され、度重なる不正で金融商品取引業の登録を取り消され、市場から追放。 この事例は、事業者の虚偽表示、不正な資金流用、実態のない運営という最悪のリスクを凝縮して見せており、投資先の透明性と事業者の倫理観の重要性を痛感させられます。

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これらの事例から私たちが学ぶべきこと

プラットフォームと事業者の信頼性を徹底的に調べること(デューデリジェンス)

高い利回りや魅力的なプロジェクト内容だけに目を奪われず、運営会社の財務状況、経営陣の経歴・倫理観、過去の実績(行政処分の有無など)、そして何より情報の透明性を厳しくチェックする必要があります。「みんなのクレジット」のような悪質なケースでは、異常なキャンペーンの裏を見抜く冷静さが求められました。

「担保があるから絶対安全」ではないことの認識:

不動産担保やその他の保全措置が取られていても、その評価額が妥当か、いざという時に本当に換金できるのかは別問題です。「ガイアファンディング」や「トラストレンディング」の例のように、担保の実態が説明と異なる、あるいは過大評価されているケースもあり得ます。担保の種類や評価の根拠をしっかり確認しましょう。

資金の流れの透明性と資金使途の厳格な確認

集めた資金が本当に説明通りの事業に使われているのか、不自然な資金の流れはないか。「グリーンインフラレンディング」や「SBIソーシャルレンディング」のケースは、これが不透明だった場合や、資金使途が守られなかった場合の典型的なリスクを示しています。融資先の事業実態や資金の流れに関する情報開示が十分かを見極める必要があります。

分散投資の徹底と集中リスクの回避

どれだけ慎重に選んでも、リスクをゼロにすることはできません。特定の事業者や案件、融資先グループに資金を集中させることは避け、複数のプラットフォームや異なる種類の案件に分散することで、万が一の事態が発生した際の影響を軽減できます。

「元本回収率100%」や「大手だから安心」という言葉の過信禁物

過去の実績が将来を保証するものではなく、また、「SBIソーシャルレンディング」の事例が示すように、事業者の規模やブランドイメージだけで安全性を判断することはできません。常に新しいリスクが表面化する可能性を念頭に置き、批判的な視点を持つことが重要です。

一度投資を実行してしまうと、特に問題が発生した場合、私たち投資家が直接状況をコントロールできることは非常に限られています。だからこそ、投資前の徹底した情報収集と慎重な判断が何よりも重要なのです。これらの過去の事例を「他人事」とせず、自身の投資活動に活かしていきましょう。

まとめ:冷静な判断で、賢い投資を

クラウドバンクの特定ファンドで見られる利払い停止や償還遅延は、主に融資先の資産(特に再生可能エネルギー関連プロジェクト)の売却が計画通りに進まなかったことに起因すると考えられます。そして、こうした問題は、特に再生可能エネルギーセクターへの投資案件で繰り返し見られる傾向があるようです。

ソーシャルレンディングは魅力的なリターンが期待できる一方で、様々なリスクを伴います。これらのリスクを管理するためには、私たち投資家自身が、

  • 徹底したデューデリジェンス(情報収集と分析)
  • 適切な分散投資 投資対象プロジェクト(例えば再生可能エネルギー事業)固有のリスク特性の理解
  • プラットフォームの透明性や過去の実績(行政処分や重大な疑惑の有無など)に対する批判的な評価

といった点に注意を払うことが不可です。

クラウドバンクで起きている一連の出来事は、ソーシャルレンディング投資の現実的なリスクを具体的に示していると言えるでしょう。高い利回りだけに目を向けるのではなく、その裏に潜むリスクを冷静に分析し、継続的な情報収集と学びを通じて、十分な情報に基づいた賢明な投資判断を心がけていきましょう。

この記事が、皆さんの今後の投資活動の一助となれば幸いです。


※本記事は、[記事執筆日(例:2025年5月16日)]時点で入手可能な公開情報に基づいて作成されており、特定の金融商品を推奨したり、投資助言を行ったりするものではありません。投資に関する最終的なご判断は、ご自身の責任において慎重に行ってください。

投資判断は時に感情に左右されがちです。人間の思考のクセを理解することで、より合理的な判断ができるようになるかもしれません。

どのような投資にもリスクはつきものです。本書は、賢明な投資判断を下すための普遍的な原則を教えてくれます。

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