グリフラで揺れる中、行政処分中のラキバンも大きな動きがありました。
業務を継続しようとしているラッキーバンクは金融庁に改善報告書を提出したとのアナウンスを発表しました。
その概要ですが発表されているので実現できるか確認していきましょう!
事業を続けられる適切な対策が打てるのか?
X 社との密接な関係の遮断
今回の行政処分において、貸付が集中しているとの指摘を受けた弊社代表取締役の親族が経営する X 社について、今後は、借換えを含む新規の貸付けは行いません。
また、これに伴い、弊社役職員による X 社の営業会議等への出席などの人的関係も一律に排除し、同社との間での業務上の接触は既存貸付債権の回収についての交渉に限って行うこととします。
x社との密接な関係を断ち切ると言っていますが、果たして実現可能なのでしょうか?
人、金、物理的に遮断すると言っていますが結構簡単にこれはできちゃう事柄ですからね。
しかし本当にx社と決別するとなると相当厳しい局面を迎えるのではないでしょうか。
そもそもラキバンの融資先はx社に頼りきっていました。
みんなのクレジットが行政処分を食らって、貸出先が身内に偏ってはいけないとこの時知ったはずですが、それでも固執して身内に融資し続けたのですから完全に甘えきっている体たらくぶりです。
融資先を新たに開拓する事もなくダラダラと続けていた現在のスタッフ、社員、社長のままだと、その甘えきった根性が根底にある限り良質な貸出先は見つけることが困難なようにも見えます。
株主構成の変更
筆頭株主である弊社代表取締役は、本事業年度末までに、第三者である投資家に弊社株式を譲渡して、弊社への影響力を弱めるとともに、当該第三者株主による監視の目を入れることで、X 社はもちろん、その他の利害関係先との間についても、同種の問題の再発防止を図ります。
社長の株主比率が元々どの程度からどこまで下げたのか記載がないのでわかりませんが、社長の権限が元々かなり高かったようにも思えます。
もしかしたら100%保有していたのかもしれませんね。
仮に半分程度まで比率を落としたのなら、相当会社運営に気を付け、社長を解任できてしまう事に怯えながら、またプレッシャーに常に耐えていかねばならなくなります。
まぁそれはそれで業務に真剣に取り組んでくれる良いきっかけではありますが第三者の株主とはだれなのか?
営業部の新設及び代表取締役の営業への不関与
弊社では、営業部を新設し、代表取締役は経営に専念し、今後貸付先と接点を持たない態勢を構築することで貸付先からの独立性・客観性を維持します。
立場上、異を唱える事ができなかったことは想像に堅くないですが、行政が間に入ることで悪しき癒着を撤廃できることは大いに歓迎です。
社長が面に立って営業活動していたというのは中小企業に取って当たり前と言えば当たり前ですが、現場との接点を完全に切り離してしまうと、現場の生の声が上層部に行き届かず別の弊害が起こる可能性があるのですが、まぁ、一番理想的なのがつかず離れずが一番居心地がいい距離なのですが、この文章から読み取ると100%切り離してしまいそうな文面ではあります。
審査部(従来の管理部)の増員
貸付の可否等の審査に当たって不動産の担保価値以外の考慮要素についても十分に検討するため、新しい審査部長の採用(平成 29 年 6 月実施済み)に加え、金融機関における審査経験者を増員し、不動産に偏重した審査を是正します。
担保価値だけで融資、貸付の是非を審査していたと認めているような文章です。
対外的に公表できない不動産価格を掲示していたとの関係から、ますます不動産価格が妥当ではなかったと疑ってしまいます。
「ラッキーバンクの厳しいルールに基いて審査し、融資の可否判断をしている」とウェブ上で説明していましたが、実は激甘な融資判断であったということがこの文章から読み取れます。
融資審査委員会の設置
弊社代表取締役を除く取締役、審査部長及び法務・コンプライアンス部長を構成員(監査役はオブザーバー)とする融資審査委員会を設置し、その過半数の決議を一定の融資実施に当たっての必須要件とします。
田中社長以外ってのがネックですね。
社長の一存、鶴の一声で融資の是非を決めていたということにも読み取れますが、そもそも、融資審査委員会がなかったっというのが驚きです。
どこまでX者とズブズブ関係だったのかと思うとゾッとしてしまいます。
これで一端の会社体制になるのではないか思います。
社外監査役の設置
コンプライアンス等に知見を有する弁護士を本年5月 31 日付で社外監査役として選任し、業務執行の監視機能の強化を図っています。
社外監査役は取締役会に出席するほか、コンプライアンス委員会及び融資審査委員会にもオブザーバーとして出席することとします。
弁護士を社外監査役として取締役会に出席となっているが、依頼した弁護士はあくまでも依頼した顧客の為に動くものです。
法律のプロを雇い、合法的に利益第一主義で動くものと予想できます。
であるならば、財産を隠蔽する術を指南したり、資産を少なくさせる為の悪知恵を授けやすくなるという事が予想されます。
担保物件の売却や競売、債権譲渡などにも影響が間違いなく起こり、投資家保護に動くというよりラッキーバンクの利益第一優先で動くような気がしてなりません。
みんなのクレジットのような事が起きないように祈りたいですね。
利益相反を防止するための仕組み
利益相反の恐れのある取引の類型化及び管理方法を定め、利益相反取引を厳格に管理します。
また、X 社への借換えを含む新規の貸付けは禁止とします。
利益相反になるであろう取引事例を整理し管理するとはいっても、元々、償還日を迎えるファンドの返済が困難な状況にも関わらずに、その後もX社の募集を継続している事の方が問題であって、事のすり替えも甚だしいですね。
そもそも、事の発端はX社との癒着が招いたものであって、はっきり言って身内同士の馴れ合いです。
身内がいなくなれば自ずと厳格になるのは必然ですから、利益相反は起こりづらくなるとは思いますが、この管理方法のルールとやらがうまく機能していくかは疑問の残る所・・・。
貸付先の分散
一社あたりの貸付上限金額を弊社貸付総額に対して上限を設定し、特定の一社に依存しない体制を構築します。
また、各社への貸付金額が上限を超えないよう継続的にモニタリングを行います。
また、前述のとおり、今後 X 社への借換えを含む新規の貸付けは行いません。
最終的には、X 社との取引を解消します。
当たり前のことをしていないことを大ぴらに大胆に言っているだけに過ぎないですね
っていうか当たり前だばかやろう!!
不動産担保偏重からの脱却と融資審査体制の構築
弊社では、不動産の知見に基づいた対象不動産単体の精査に偏って審査を行っていた従来の体制を是正すべく、適切な融資審査体制を構築し、実効的な融資審査を実施するものとします。
営業部の新設と審査部の増員、融資審査委員会の設置の3重の構えで事に当たるようですが、実質仕事量が倍増してしいます。
明らかに利益を圧迫する要因になっていますね。
早く事業を再開しなけらば、ラッキーバンクが倒産してしまいます。
かと言って新たに融資先が現れるのかも疑問ですし、事はそんなに簡単なもんじゃない気がします。
債権管理・債権回収ノウハウの蓄積と基準の整備
債権管理・回収について豊富な経験を有する担当者を採用すると共に、各種マニュアルを整備し、実効的な債権管理・回収を図ります。
単に優れた担当者がいても、マニュアルを整備しても、売却、競売先が見つからなければ話が進みません。
我々の最大の目的は元本の即時返却です。
毀損なくスムーズに投資家に返すことを最優先に動いてもらわなければ、いくら事業を再開しても、投資を再開しようと思うに至りません。
一度信用をなくしたものは並大抵の努力ではもう一度同じ信用値になるのは難しいです。
血眼になって担保を行使してほしいものです。
適正な期待利回りの設定
弊社では、今後、不動産担保偏重からの脱却と融資審査体制の構築の融資審査体制を反映した審査基準マニュアルに基づき審査を行ったうえで適正な貸付金利を設定し、当該金利に基づき期待利回りを設定します。
もうねぇ、これ、行き過ぎた貸付金利だったということが分かってしまいましたね。
どんんだけ、X社の手駒にされていたんだ!
投資者保護意識の醸成
ソーシャルレンディングを行う金商業者として必要な知識の向上を図るため、毎月役職員に研修を実施します。
また役員は、第二種金融商品取引業協会が開催する研修に参加し、その内容を社内にフィードバックすることとします。
第二種金融取引業の研修に参加とはこのことですね。
これらをざっと見ると、金商法の基本中の基本の研修みたいです。
一度取得すると人間というものは基本を忘れ、枠組みから外れたものを自分の都合のいい様に解釈しそれを実行しようとしやすい側面があります。
こういう基本方針に乗っ取り、役員→社員へとコンプライアンスと法務規定を遵守するいい流れができる構築できます。
ぜひともこの流れを止めることがなく末永く継続していってほしい限りです。
みんなのクレジットと比較しての改善内容の妥当性は?
みんなのクレジットも業務改善内容を報告していました。
これと比較してみると、みんなのクレジットの場合は最初から債権の扱いに的を絞った改善内容でした。
1 弊社の役員の交代
2 弊社と甲グループとの分離
3 甲に対する役員派遣
4 弊社の最大債務者である甲グループの資金管理
A) ファンドの返済原資となる資産の管理
B) ファンドの返済原資となる新規資金調達の管理
5 物理的な事務所の移転
6 募集における融資先の開示内容の大幅な拡大と正確な情報の開示
7 運用における融資先の資金使途管理
しかし、ラッキーバンクは事業を継続しようと前向きな試みが随所にあることがわかります。
このことからラッキーバンクはみんなのクレジットのようにバックレることはないと思われますが、事業の継続と、元本の償還をまた別の話です。
債権回収できるかか最大の関心事項
ラッキーバンクから発表のあった債権は以下の通り。
遅延が発生しているファンドに関する今後の債権回収について
本年6月28日現在、遅延が発生しているファンドについて、弊社としては、以下の方針により、可能な限り貸付債権を回収することができるよう、努めて参る所存です。(1)X社について
弊社で運用しているファンドのうち、X社が借入人となっているファンドが152本あり、そのうち152本の返済が遅延しております。
また、総貸付金額(元本部分)は、45億8,236万円です。
本貸付については、早期の債権回収に向け、本借入人と協議を継続しております。
本借入人より返済計画案を受領いたしましたので、今後、返済計画案の実現可能性等を検討し、必要に応じ本借入人との間で更に協議等を行った上で、本借入人に対する貸付債権の回収方針を決定する予定です。(2) Y社について
弊社で運用しているファンドのうち、Y社が借入人となっているファンドが2本あり、そのうち1本の返済が遅延しております。総貸付金額(元本部分)は、4,082万円です。
本貸付については、早期の債権回収に向け、本借入人と協議を継続しております。
弊社では、本借入人より、本貸付にかかる担保物件に関し、本年6月末までに売却の決済が完了しない場合は、本貸付相当額部分について、他の金融機関からの借換えによる返済を検討している旨の返済計画を受領しておりますが、現状では借換先について具体的な進捗はありません。
今後、本年6月末までに返済がなされない場合には、本借入人との間で更に協議等を行った上で、本借入人に対する貸付債権の回収方針を決定する予定です。(3) Z社について
弊社で運用しているファンドのうち、Z社が借入人となっているファンドが1本あり、そのうち1本の返済が遅延しております。総貸付金額(元本部分)は、1,500万円です。
本貸付については、早期の債権回収に向け、本借入人と協議を開始しております。また、本借入人に、平成30年6月15日までを目途として返済計画案を徴求しておりましたが、現状、借入人側の代理人(弁護士)が情報を整理している段階であるため、本年6月28日時点では受領に至っておりません。
今後弊社では、本借入人から提出される返済計画案の実現可能性等を検討し、必要に応じ本借入人との間で更に協議等を行った上で、本借入人に対する貸付債権の回収方針を決定する予定です。
これらを見ると債権の量はみんなのクレジットと比べると大きいことがわかります。
みんなのクレジットは30億強ですが、ラッキーバンクは46億ちょっとあります。
果たしてこれら全て売却、競売できるのか?
ラッキーバンクの手腕に注目です。