ソーシャルレンディング投資を行う前にFXに手を出していました。
余剰資金の中の余剰資金で本当に無くなってもいいと思ってるお金(たったの2万円ですが)でどのくらいお金が増えるか実験的な意味を持って実際にやってみた所、最初は順調よく5万円ほど増えたのですが、チャイナ・ショックやらイギリス離脱問題と価格変動の渦に巻き込まれ、1年ちょっとやった結果、仕事の忙しさも相まって、冷静さを失い元本が結局2万が2000円になってしまいました。
私には向いてないなと悟った私は、価格変動リスクがなく、比較的安心な投資は無いものかと探していた所ソーシャルレンディングに出会いました。
一喜一憂がない分、精神衛生上いいので、健全で安心な投資として積極的にソーシャルレンディングに資金を注ぎ込んでいました。
ソーシャルレンディングのいいところは価格変動がなく、黙っていても放ったらかしで毎月の分配金を得られるところが最大の利点でした。毎月の分配金とちゃんと償還してくれる元本、リスク0で安心安全な投資として数ある金融商品の中で綺羅びやかに光っていました。
魔法が解けたソーシャルレンディング投資
詐欺まがいな行為を行い、愚劣極まりないみんなのクレジット債権譲渡事件が起きた2017年10月31日を皮切りに、ソーシャルレンディングのきな臭さと金融庁の動きが活発化している雰囲気、クラウドバンクに2度めの行政処分、トラストレンディングとラッキーバンクに金融庁の査察が入っていたとの情報がでてきていた当時、危ないと思ってもお金を引き上げられない流動性の悪さから、危険を薄々感じた私はポートフォリオを見直そうと段階的に資金を引き上げていました。
危険を感じつつもクラウドバンクのように行政処分を食らっても見事に復活を果たし業務を再開している事、詐欺まがいのみんなのクレジットは特殊事例として考え、以前みたいに積極的にソーシャルレンディングに投資はしないが、資金を注ぎ込めるところはある程度継続していました。そんな折に起きたラッキーバンクとグリーンインフラレンディング事件が勃発。
ラッキーバンクは親族会社に貸付け、グリーンインフラレンディングはワンマン社長のやりたい放題。
今にして思えば、危険信号が点滅していた予兆があったにも関わらずに人間の浅はかな思いがそこにはあった気がします。
人間の愚かさはどこから来てしまっていたのか?
心理学の面から解き明かそうと思いちょっと調べてみました。
危険を危険と感じない正常性バイアスの恐ろしさ
上記のような危険信号が点滅している情報を無視し、過小評価、それら引っくるめて正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだまだ大丈夫」などと思ってしまう心理。
それを心理学用語で正常性バイアスという。
危険を危険として認識しない人間の鈍感さですね。
集団心理の怖さ、集団協調性バイアス
各ソーシャルレンディング事業者の謳い文句である、貸し倒れ、デフォルト0件、高い保全性や担保設定、厳格な審査、ローン成約、累計出資金額〇〇億円、そんな根拠のない会社の謳い文句に踊ろされ、我々投資家はどんどん資金を注ぎ込んでいました。
出資総額が増えている事業者は比較的安全であるという間違った認識、鈍感さから、集団と同じように行動する心のスキを付いた状態の事を集団協調性バイアスという。
みんなと同じく歩調を合わせようとし、人と違う行動をとりたがらない人間の性質をうまく利用し、ついつい川の流れのように流れに身を任せてみんなが大丈夫だから自分も大丈夫だと思いこむ心理。
専門家の指示は絶対だという思いは危険、エキスパートエラー
ブログや経済誌ではソーシャルレンディングの良さを強調した情報しか出てこず、専門家の情報を鵜呑みにしてしまい正しい行動がとれないという。
自分で考える事を忘れ、楽な方へと進みがちで、「疑う」という初心の心得を頭の片隅においやり、専門家が言うのだから間違いはない、絶対だという根拠のない思い込みが悲劇を産むのです。
ほとんどの人が持っている楽観主義バイアス
ソーシャルレンディングは他の金融商品とは違う、日本社会の、中小企業の血液にもなる有益な事業融資だからこそ不良企業はいないと捉え、楽観的に考えていた人は多いのではなかったでしょうか?
人間にはもともと、物ごとを楽観的に考える傾向にあるといいます。
良いことが起きるようだと過大評価し、悪いことが起きるようだと過小評価します。
例えば車に乗っていて、自分は交通事故にあう可能性はどのくらい考えているかと質問すると、大抵の人が事故らないと答えるし、癌になってしまう可能性はと聞かれると自分はならないと答えるという。
しかし、確率論的に言うとそんな事はならず、自分は人より平均以上であると考えてしまいます。
私たち人間は現実的に日常生活を生活しているのではなく、楽観的に物事を捉えて暮らしています。
だからこそ、ストレスを軽減したり、悪いことが起きた場合は、それを糧に前向きになったりしたりする気持ちが芽生え、人生をよりよいものにしようとします。
逆に言うと楽観主義バイアスがない人=非楽観主義バイアスがある人はうつ症状を持っていて現実的に物事を捉えがちであり、悪い未来を想像してしまいます。
まとめ
心理学の面からソーシャルレンディングの危険性を洗ってみましたが、人が誰しも持っている心理の裏に隠された危険があることがわかりました。
投資全体にもいえるこの人間の本質はやはり、リスクをいかにコントロールするかが非常に大事で難しい事を物語っています。
大抵の人が持っている心理状態を打破し、克服し、管理しコントロールするのですから、普通の人はそりゃ無理ですね。
だからこそ、分散投資が必須であり、金商法や貸金業の法律があったり、規則であったり、ルールを改定したりとしたことが必要になるのです。
しかし、これだけは言えると思います。
ポイント
普通の人がソーシャルレンディングで損失を最低限に抑え、利益を上げ続けるには楽観的に物事を考えず、絶えず自分で情報を集め、精査し、疑問を持ちづづける事と分散投資の徹底で自分のポートフォリオを構築していくしかなさそうです。
あれって、そういう心理状態に陥ってしまっている人が大半らしいにゃ