金融商品を扱う王手、大御所のSBIグループだから不正はないだろう!
そんな理由でSBIソーシャルレンディングに安心して投資をしてきた人たちって結構多かったんじゃないでしょうか。
現に公表している投資家数は21年2月時点61,932人にも上っています。
ソーシャルレンディング界隈では業界最多ではないでしょうかね。
しかし、ふたを開けてみたら・・・
不動産・太陽光発電関連会社「テクノシステム」が手がける開発工事案件に383億9505万円を融資、しかし資金が別のファンドの返済に使われたり、工事完成が困難になり返済見込みが立たなくなった。
というなんともお粗末な不祥事を出してしまいました。
そして融資した問題のテクノシステムは・・・
テクノシステムは今どのような状況に置かれているかと言うと・・・。
金融機関に虚偽の書類を提出して約4億円を詐取した疑いで家宅捜査。
6月上旬を目標に東京地裁に民事再生法の適用または破産を検討。
で結局テクノシステムの社長は逮捕されるという結果に相成りました。
しかもありがちな社長の豪遊とギャンブル好きという汚点も入っています。
第三者委員会の調査報告を読んで思うこと
なぜこんな事がまかり通ったのか?
報告書を読んでみて思うことは、杜撰極まりないって事、コレに付きます。
失敗する可能性のあるものは、失敗するというマーフィーの法則
モニタリングに関するルールは全く存在せず、その実施は全て担当者任せとなっていた。
土地代金や地上権の対価等の支払が行われることを担当者が確認するのみで、その後のプロジェクト進捗状況を定期的に確認することなく、SPCとの間で締結された貸付契約に定められた権利(建築確認済証の交付、工事進捗状況に関する資料の提出要求等)さえも適切に行使していなかった。
A 社の口頭での言い分を鵜呑みにし、客観的かつ合理的なプロジェクト進捗状況の確認はなされていなかった。
A 社関連ファンドの組成から貸付審査までの殆どを、商品開発部の一名の人員のみが担当していた。そのため、担当者は、業務過多により「やることありき」の貸付審査を形式的に仕上げることに注力するほかない状況に陥っており、実行済みの案件を事後的にモニタリングする余裕などない状況にあった
1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常(ヒヤリ・ハット)が存在するハインリッヒの法則
返済日直前に多額の資金が一括で振り込まれ、返済に充てられているものが多いが、返済原資の出所に一切関心を払っていない。
不動産案件の個々のプロジェクト収支が大幅な赤字状態になっていると推察されるプロジェクトも複数存在している。
2019年12月19日の時点で、開発スケジュールに遅延が生じていることを認識したが新規案件を再開・推進した。
投資者が現場を訪れてみると該当する工事現場が見つからず、近隣で聞き込みも行ったものの建設計画は聞いたことがないとの説明を求める旨のメールが届いたが、A 社の説明を鵜呑みにし、客観的な裏付資料の確認等を行わなかった。
だろう運転は事故の元
SPCのアセット・マネージャー(又はファイナンシャル・アドバイザー)として金融経験値の高い B 社が見ているから問題があれば B解決するであ
ろう。
A 社は上場準備中でありグループ会社の SBI 証券が主幹事証券として就任していることから同社によるチェックが働いているであろう。
A 社には会計監査人が就任しているから財務面に問題はないであろう
第三者委員会が断罪しているポイント
他人のお金を預かっているというプロの意識の欠如。
過大な営業目標を達成するための安易な営業優先志向主義。
業務過多、人員不足による慢性的な状況におけるモニタリング体制の放棄。
4割強にも及ぶA社(テクノシステム)に対する一極集中の貸付に伴って運命共同体状態になり、借りて貰うことを頼みやすく、貸すことを断りにくい状態に陥っていた。
金融王手だから安心なんてもんは存在しない、運用しているのは人間なんだから
ソーシャルレンディングでは様々な問題が露呈してきたいわば負の産物、ヤバい投資商品である認識がこれにて確定しちゃいましたね。
- キャンペーンの乱用と高利回りな、みんなのクレジット
- 東京不動産の適正利回り3〜4割が妥当だというのに7〜10%の利回りを謳っていたラッキーバンク
- 再生可能エネルギーは5%〜8%が妥当だというのに13%の利回りを謳っていたグリーンインフラレンディング
- いくら公共事業でも15%ありえないでしょのトラストレンディング
ここまでは投資家が疑ってかかれば防げるソーシャルレンディング事業者でした。
- 5〜7%の案件だったけど、実は不良案件のオンパレード、そのくせ手数料収入で儲けようぜと5%位上乗せしていた姑息なマネオ
- 傾斜産業のパチンコに融資のクラウドリース
- アメリカ不動産案件でも10%の利回りは夢物語のガイアファンディング
投資家自ら調べれば防げるはずの事業体でした。
投資した人の目利き力がないって言ってるんじゃなくて、こういう投資商品を作れちゃう法律、規則がまだ出来上がっていない未成熟な金融商品だったって事なのです。
だって、詐欺ろうと思えば簡単にできちゃうスキームが出来上がっちゃうからね。
そしてSBIソーシャルレンディングはというと・・・
コンプライアンス重視と言っときながら、会社内部の杜撰な内部監査が招いたものであり、投資家が調べても防げる案件では無いのはどうしようもない。
やっぱり現状のルール上での未熟な金融商品だった事は明白。
投資家には会員向けの限定情報でSPCだけ名前を明かしているが、それだけでは自分がどの会社に投資しているか全然わからない。
ましてや自分がテクノシステムに集中しているなんて夢にも思わなかったはず。
本当の投資家保護に動くんでしたら融資しているSPCというペーパーカンパニーじゃなく、実際にお金を動かしている企業名を明かして然るべきなはず。
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貸金業と金融業の相容れない相反したルールが根底にぶら下がっている現状の法律、ルールの限界が未だに見て取れる。
それを考え見ればSBIのコンプライアンス自体のブランド力に魅力を感じたからこそ投資家は投資したのです。
それを裏切りる行為は杜撰な案件を乱立した社長自らの責任は重い。
まさしく善管注意義務違反です。
善管注意義務違反を認定し投資家保護の為に動くSBIソーシャルレンディング
腐っても金融王手、大御所、王手の力技ってところでしょうね。
自己資金を使って投資家保護の為に動いてくれます。
未償還元本相当額の償還時期については、現時点では8月頃を予定しております。
というアナウンスがなされています。
私が投資していた案件はこちら。
SBISLメガソーラーブリッジローンファンド32号で投資した金額は50,000円
今現在の投資信託の資産運用推移
One-たわらノーロード 新興国株式 26.07%
SBIバンガードS&P500インデックスファンド 31.02%
三井住友TAM-世界経済インデックスファンド 21.79%コロナに負けずに資産が自己資金も含めて半年で25%(´∀`∩)↑age↑✨😆 pic.twitter.com/RuWTEEpJFK
— 朝比奈枢 (@404WrSBMlXQzGct) May 28, 2021
でもされど5万、お亡くなりになりたくない大切なお金。
みんなのクレジットやラッキーバンクと違って戻ってくるんだから目っけもんですよ
ただし、未償還元本相当額って言っているだけあって分配金でもらっていた分を省いての金額
ということは確定申告した人は修正申告しなきゃダメってことですよね。
金融庁の業務改善命令と自主廃業決定
で、こんな杜撰極まりないSBIグループの恥晒しのSBIソーシャルレンディングに金融庁が激怒近く業務改善命令が出されるようです。
てか、ソーシャルレンディング投資家はもう散々こりごりなのじゃないでしょうかね
ここまで苔にされた投資家の怒りは並々ならないものがあると思います。
再起を狙って事業再開しても、投資家は投資しようと躊躇するし、4割強もある一極集中した融資先のテクノシステムを失ったSBIソシャレンは営業利益激減、第三者委員会での提言を守ろうと、人員増員、コンプライアンスのルール構築と厳守に費やすだけの資金はもう無いはず。
だから自主廃業を決定したものと思われます。