導入当初はあまり厳しいルールを敷いていなかった為、高い売電価格に魅了された事業者が束になって太陽光発電に参入してしまった為、様々な問題が露呈し始めています。
そのため経済産業省は現行法を改正し、様々な問題を潰そうとルールの変更を度々行ってきています。
再エネ賦課金の抑制
問題点①
- 日差しが照っている時しか発電しない不安定な太陽光発電に新規参入者が群がってしまった。
- 再エネ賦課金の増加抑制。
産業用太陽光発電の売電価格の推移
- 2012年度:40円/kWh
- 2013年度:36円/kWh
- 2014年度:32円/kWh
- 2015年度:29円/kWh(6/30まで)
- 2015年度:27円/kWh(7/1以降)
- 2016年度:24円/kWh
- 2017年度:21円/kWh
- 2018年度:18円/kWh
さらには今後2022年~2024年で8.5円にすると経済産業省は方針を固めたそうです。
部材が安くなるまで太陽光を設置しない業者
問題点②
高い売電価格時に太陽光発電の権利だけ取得、パネルや架台、パワコン等の値下がりをとことん待ってから設置しようと企んでいる事業者の排除。
設置待ち案件の排除
- 売電価格決定が「設備認定」から「事業計画認定」に変更。
- 10kw以上は認定してから運転開始まで3年以内で稼働させなければならない。
- 旧制度で設備認定を取得している人も手続きが必要
- 毎年1回運転報告を提出しなけらばいけない。
壊れる事もある太陽光
問題点③
- 調査研究目的で産業技術研究所が2004年に設置した太陽光発電で不具合に関する事例が認められている。
- パネルの損傷や汚れによる発電量の低下、架台のサビ、ボルトの緩み、パワコンの故障や配線やダクトの損傷、落雷による故障や火災といった問題が生じる。
メンテナンスの義務化
- 事業計画認定申請時にメンテナンスの計画を提出し、計画に則り適切に実施しなけらばならない。
- 2017年4月1日以前に発電開始した設備は未提出でOK、ただしメンテは義務だからか必ずやらなければならない。
- 10kW未満の家庭用の住宅用太陽光発電の場合1年目、5年目、9年目、以降4年に1回のメンテナンスの実施
- 10kW以上の産業用太陽光発電の場合4年に1回メンテナンスの実施。
- 10年20年も運転し続けている機械設備だからこそ安全、安心して運用していかなければならないので、メンテナンスはしっかりやれなければならない。
責任者の連絡手段が取れていない
問題点④
- 太陽光発電は無人で稼働している場合がほとんど。
- 事故、事件、故障、火災等が起きても素早い初動がとれない。
- 土地付き分譲太陽光発電所を所有し、尚且遠隔地で稼働している場合もあるので責任の所在、確認がとれない。
太陽光発電の標識、看板の設置は義務
- 20kw以上の野立(地面設置)の太陽光発電には緊急時の連絡先を明確化するために標識、看板の設置をしなけならない。
- ただし、屋根置きの場合は看板や標識を設置しなくてもOK。
看板は紫外線や風雨に強い野外用のものを用いましょう。安いものだとホワイトボード化されてしまうので注意です。
いたずら目的で太陽光発電施設内に入ってくる奴らがいた
問題点⑤
- いたずら目的で太陽光発電施設内に侵入する場合がある。
- パネル自体に電圧がかかっているので危険。
- 設備が故障している場合、感電するなどの事故があった。
- 安定的な発電が邪魔された。
フェンスや立入禁止の看板設置義務
- 低圧の野立て(地面設置)太陽光発電にもフェンス・柵や立入禁止の看板設置が義務化
- ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電設備)の場合は第三者が立ち入れないよう看板設置
看板は紫外線や風雨に強い野外用のものを用いましょう。安いものだとホワイトボード化されてしまうので注意です。
水力は水利権が絡んでいるし、風力は風まかせ、地熱は初期費業がめっちゃ高い(何百億単位)バイオマスは燃料調達の難しさやプラント設備が高い(億単位)
太陽光発電はいつでも、誰でも、簡単に発電敷設があれば(日が照っていれば)、個人でも最も簡単に売電できる再生可能エネルギーです。
だからこそ、参入障壁が低く新規参入する人たちがたくさんいます。
そのため、様々な問題がでて、今その問題を解決しようと政府、経済産業省がルールの改正を毎年行っています。
面倒くさい書類の提出や毎年下がり続ける売電価格。
さらに今後、ルールの改定が進めばどのような厳しいルールを強いられるかわかりません。
個人で太陽光発電に参入するのはもはや限界なのかもしれません。
だとすれば、個人ではなく複数人のお金を出し合って(出資)、再生可能エネルギーに投資してしまったほうが懸命なのかもしれません。
再生可能エネルギーに投資できる数少ない証券会社
ただ、既存設備にもかかってくる問題は、常にアンテナを張って最新の情報を仕入れる必要があります。
施工業者等が教えてくれない、または倒産してわからなかった等、様々な理由で法律改正の事を知らなかったで済まされません。
思わぬことで設備認定取消し、売電取り消しにならないように気をつけなけらばなりません。